人気ブログランキング | 話題のタグを見る

東京での和・洋・中と極上の味を求めて、いろいろ食べ歩いた記録です。


by gokujyounoazi

銀座 あさみ

 大通りから少し入ったところに「銀座 あさみ」は、とても静かな環境にある。暖簾をくぐり、予約の名前を告げるとカウンターの席に案内された。座敷は3部屋あり、襖で仕切られているので、開けば、十数名は入れるそうだ。他にテーブル席もある。カウンターの端に飾られている花は、お茶席で使われる花を思わせるような「侘び、寂び」の雰囲気を持っている枝振りだ。

 梅酒のロックを飲みながら待っていると「焼きフキノトウ豆腐」が供された。外側はカリっと焼かれているが、中はとろっとしている。ほんの少し、お醤油を垂らして食べる。フキノトウの苦味が口中に広がる。日本酒が欲しくなる一品だ。

 「胡麻酢和え」は、クラゲ・胡瓜・人参・椎茸を胡麻酢で和えてある。胡麻の風味がとても美味しく、最後に出てくる「鯛茶漬け」に期待できそうだ。

 「鮑のかりんと揚げと小柱の揚げ物」は、小柱の甘みが美味しい。ビールが合う。

 「鯛の白子焼きとタラの芽」は味付けに胡麻油が使われているようだった。タラの芽が甘くて美味しい。白子も河豚ほどではないが、まったりとしていた。

 「刺身」は、鯛・平目・鮪の3種。平目が甘くて美味しい。

 「アイナメの葛たたき」はほっとするようなお椀。

 「鯖寿司 鮑 干しクチコ」。鯖寿司は、御飯がねちょっとしてしまっていて残念。鮑は薄味。干しクチコはすすっと噛み切れて、じんわりと旨みが口中に広がる。白飯が欲しくなるくらい美味しい。

 「桜鱒の木の芽焼き」は、皮と身を一緒に食べると良い。

 「鯛の桜蒸し」は桜餅風に仕上げている一品。道明寺粉がほんのり甘く、鯛の身を包み、桜葉で巻いてある。香りも見た目も春らしくて嬉しいのだが、もっと美味しいと良いと思う。

 「鯛茶漬け」は、某記事のお勧めのように、一切れはそのままで食べてみると、かなりしょっぱい!御飯の上に乗せ、タレも皿ごと全部かけてから、お茶を注ぐとちょうど良い味になった。が、スペシャリテとして期待が大き過ぎたせいか、「人に勧めたくなるほど」ではなかったのが残念だ。

 デザートの「葛餅」は、かなり柔らかく、黒蜜・黄粉をまぶして食べるととても美味しい。この「葛餅」は一食の価値があると思う。

 4人の料理人でまかなうのには、席数が多過ぎて、料理の間が空くのが残念だった。奥の座敷やお手洗いには、カウンター席の後ろを通らねばならず、それも気になった。カウンター席の前には一切火の気がなく、奥の厨房で火を扱っているようだったが、そのためか、カウンター前には誰もいない事もあった。

ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/
by gokujyounoazi | 2006-04-01 21:46 | 和食