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東京での和・洋・中と極上の味を求めて、いろいろ食べ歩いた記録です。


by gokujyounoazi

北京遊膳

 荻窪駅から歩いて数分。地図があればわかるが、横道に入って、ともすれば見落としてしまいそうな雑居ビルの二階に「北京遊膳」がある。「チューボーですよ」というTV番組の「街の巨匠」として紹介された事もある店だ。

 入ってすぐが、カウンターで、その横を通るとテーブル席が4つあった。二人掛けの小さいテーブルに案内される。料理の皿が乗りきるのだろうかとちょっと心配になる大きさだ。しかし、すべてのテーブルの上に「予約済み」の札が置いてある。「要予約」を実感した。

 青島ビールで喉を潤していると、程なく前菜が運ばれてきた。電話予約の時「来店してからで良いですよ。」と言われたのだが、お任せのコースを頼んでおいた。

「大根とクラゲの和え物」(千切り大根のしゃきしゃきした食感とさっぱりした味がくらげとよく合っていて美味しい!)

「チャーシュー」(程よい柔らかさと旨みがあり美味しい)

「大蜆の老酒漬け」(北海道産の大蜆が入った時しか作らないそうだ。さっと湯掻いた蜆を老酒に漬ける。この時の火の通し方が難しく、生きたままでないと老酒が浸透しないそうだ。蜆自ら老酒を吸収していくからだ。味が深い。)

 紹興酒を櫛切りのレモンと一緒に追加注文した。常温の紹興酒にレモンを絞って飲む。美味しい。

 「フカヒレの姿煮」は粘り気の強いスープで供された。フカヒレの処理がきちんとされていてほっとした。(処理が悪いと嫌な後味がするからだ)黒酢をもらって、少したらすと、更に一層美味しくなった。

 「大正海老の揚げ物」は食べ易い大きさに切って揚げてある。塩ダレで頂く。さっぱり食べられて美味しい。

 「八宝菜」は魚貝類系で、海鼠・鮑・干し貝柱・蟹・海老・烏賊・豚肉・筍などの野菜が入っている。これは珍しく茶色の餡だ。塩味でなく、醤油かオイスターソースで味付けしてあるようだ。

 「大つぶ貝の北京炒め」はたっぷりの木耳と一緒に炒めた一品だ。つぶ貝の身がとても柔らかい。肝を醤油でさっと炒めたものも供された。これが、ねっとりとしていて味が深い。サザエの肝と違い、旨い苦味で酒のツマミに美味しい。

 「涼麺」は山椒で味付けして炒めた牛挽肉の油を使っているそうだ。海老や韮が入っていて、塩味でさっぱりとして美味しい。

 ここで、コースとは別に「蟹炒飯」を追加注文した。ネットで見た「蟹炒飯」はご飯よりも蟹の方が多くて、蟹でご飯が見えないくらいだったが、そんな事はなく、普通の「蟹炒飯」だった。しかし、パラッと仕上がっていて、飽きない美味しさがある。

 デザートは赤肉系のメロンだ。熟し加減が良く、甘くて美味しい。更に、コースとは別に「杏仁豆腐」と「タピオカミルク」を追加注文した。

 「杏仁豆腐」は缶詰ではなく、生の果物が乗っていたのは嬉しいのだが、肝心の杏仁豆腐が硬く味が薄いのが残念だった。「タピオカミルク」は苺がたっぷりと入っていて、ココナッツミルクも濃く、とても美味しい!追加して良かったと思える味だった。

 他の予約席はどこも子供連れだった。「未就学児お断り」の張り紙があったようだが、一部ぎりぎりの年齢のように見受けられた。しかし、子供達がおとなしく食べていたのは、このお店の料理が美味しいことを知っているからだろう。地元の常連さんが多いのも納得できる。マダムも親切で気配りのサービスでもてなしてくれる。

 店内は狭いし古いが居心地が良い。トイレが客席と離れているのは良いのだが、横になって歩かないと行けないくらい通路が狭いのは難点だ。お会計はテーブルでしたが、値段がリーズナブルなのに驚いた。とても良心的で美味しく、お勧めできるお店だ。
                                   KEI

ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/
by gokujyounoazi | 2006-06-14 14:53 | 中華