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鮎料理 鮎正 2006年 06月 17日
外見からして、いかにも老舗という感じのお店で、引き戸を開けて入ると、居酒屋へ来たのかと思ってしまった。1階はカウンターと小上がりで、2階はお座敷になっている。6時半ですでに満席どころか、客が回転している。6月1日の鮎解禁日から予約殺到らしい。早めに予約をしていて良かった。
カウンターの席に案内された。隣は常連らしい一人客がいた。カウンターはかなり狭く、隣と腕が当たってしまいそうだ。連れは何度が当たっていたらしい。 まずはエビスビールで喉を潤す。お酒のメニューを頼んだが、なかなかもらえず、催促してやっと回ってきた。日本酒は島根の地酒が揃えられている。自家製の10年物の梅酒を頂く。ウイスキーのような琥珀色に熟成していた。 前菜は5品で「インゲンの胡麻和え」「カラスミ」「子持ち昆布」「筍の白和え」「鮎の南蛮漬け」だ。このあたりで、少し不安になってきた。美味しい鮎が食べられるのかしら?と。 「お椀」は焼き鮎・冬瓜・海ぶどうが入っている。出汁は美味しいのだが、焼き鮎とは合わない気がした。 「鮎の背ごし」は鮎の刺身で、珍しいが骨が気になった。私の口には合わなく残念だ。 「苦うるか」は今まで食べたどのうるかよりも美味しい!日本酒をより美味しく味わえる一品だ。 「鮎の塩焼き」は2匹で、蓼酢で頂く。蓼酢はかなり濃度が濃いようだ。これがとても美味しい!!!普段、シシャモでも頭は残してしまうのだが、連れが美味しいと食べているのを見て、私も食べてみることにした。 最初は骨を外して食べていたのだが、骨が気にならなかったので思い切って頭からガブリと食べてみた。鮎ってこんなに美味しかったの?と目から鱗だった。 ここの天然鮎は島根から取り寄せているそうだ。故郷が近いせいもあり、女将さんがちらっと話してくれた方言がとても懐かしく身近に感じた。連れがもっと食べたいと言い、コースとは別に追加することにした。 「揚げ物」はうるか味噌を鮎で巻いて揚げたもの・獅子唐・薩摩芋。うるか味噌がほんのり甘く、とても美味しい!!薩摩芋も味付けしてあるかと思うくらい、甘く美味しい。 「うるか茄子」は揚げた茄子をうるか味噌で煮付けてある。これがまた美味しい!ナスの味噌炒めに似ているが、うるかの苦味がほんのりして味が深い。食べた後の器に白飯を入れ、残ったうるか味噌も全部頂く。このご飯も美味しい! 「鮎の煮浸し」は揚げた鮎・独活だ。これはさほど美味しいとは思わなかった。 「酢の物」は昆布〆した鮎・若布・山芋・千切り生姜だ。さっぱりとしていて美味しい。 この後、追加した「鮎の塩焼き」がやっと供された。客の回転がよく、焼き場の順番があり、ずいぶん待ったが、待つ甲斐のある美味しさだ! 「鮎ご飯」は鮎の味も良いのだろうが、味付けも良いと思う。ふっくらとした粘りのあるご飯はお腹に余裕があればおかわりしたいくらいだった。『京味』のハラスご飯にひけを取らないくらい美味しい!!ご飯には味噌汁と漬物がついていた。 デザートは「青梅のカキ氷」で、青梅を甘く煮たものとシロップがカキ氷に入っている。青梅の爽やかな味とほどよい甘さが口に広がる。美味しい。 「苦うるか」が供されてから、私は口福で笑顔になっていた。入店した時に不安も吹っ飛び、ひたすら鮎の美味しさに感動していた。食べ歩きを始めてから、多少、鮎も美味しい魚だと思うようになっていたが、こんなにも美味しい魚という認識はなかった。嬉しい発見だ。 店内はレトロな雰囲気が漂っている。開店してすでに四十四年というのだから当然だろう。店内は禁煙で、愛煙家達は外に出てタバコを吸っていた。これはありがたいことだ。 私達の席は洗い場の前だったのだが、洗い物専任の女性が、帰るまでずっと皿を洗い続けていた。料理人の男性5人と女将さん・仲居さん・洗い専任の女性6人がフル稼働していた。帰る少し前には両隣の客も回転しているくらい、店は繁盛していた。多少サービスが遅くなっても仕方ないと思えるのは、偏に鮎の稀なる美味しさ故だろう。 また来年、骨ごと食べられる大きさの鮎を食べに来たいと思った。 KEI ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。 http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/ by gokujyounoazi | 2006-06-17 22:56 | 和食
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