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小室 鱧づくし 2006年 07月 10日
二度目の訪問なので、坂道の多い神楽坂をほぼ迷わずにお店に辿り着いた。少し時間が早く、暖簾もまだ掛かっていなかったが、私達に気づくと「どうぞ」と招き入れてくれた。前回と反対の端の席に案内された。本日はカウンター席に9人座る用意がされている。前回は8人だったので、席間が少し狭く感じた。
エビスビールを飲みながら、料理を待つ。この店は料理が出てくるのが遅いのは経験済みだったので、心得て待つことができる。 「先付け」は、帆立・海老・アスパラ・帆立の子が蚕豆のピュレの上に乗せられている。それに透明なトマトのゼリーが掛けられる。素材そのものの味が生きていて、爽やかなトマトのゼリーがドレッシング代わりとなり、全体をまとめて、初夏を感じる一品となっている。美味しい。 「八寸」は、(手長海老・オクラ・茄子・生雲丹)(蛸の柔らか煮)(稚鮎の南蛮漬け・筍)(頬月の器に入ったサツマイモの甘煮)(松露・枝豆)(帆立と海老のすり身にコーンの粒を混ぜ、畳鰯で挟んで揚げたもの)(鱧寿司・筆生姜)が細長い長方形の器に彩り良く盛られている。どれも美味しいのだけれども、(蛸の柔らか煮)と(鱧寿司)は先週『京味』で頂いたものの方が数段美味しかった。 「お椀」は、牡丹鱧・結び蓮芋・柚子だ。半匹は使っているかと思われるくらいの牡丹鱧はふっくらとしていて、秋ほどではないが脂も乗っており、とても美味しい!柚子はグレープフルーツの種くらいの小さい可愛らしい物を半分に切られ、牡丹鱧の上にちょこんと鎮座していた。お出汁も溜息が思わず出るくらいに美味しい! 「お造り」は、真高鮑とその肝だ。肝はお醤油で溶いて、刺身につけて食べても良いし、そのまま食べても美味しいと言われた。鮑は薄く切られているのだが、端が固い。身は甘みがほのかにあって美味しい。身には添えられている柚子を絞っても美味しいそうだ。肝は周りが綺麗な緑をしている。刺身よりも、この肝がとても美味しかった!できるなら、身はいらないから肝だけ欲しいと思ったくらいだ。 「焼き鱧」は、高等葱と唐辛子の入った大根下ろしのタレで頂く。熱々の焼き鱧をタレにつけるとすっかり冷めてしまうのが、美味しいだけに残念だった。 「湯引き鱧」は、花紫蘇・紅蓼などと一緒に大根下ろしのタレで頂く。湯引き鱧の中はレアで美味しいのだが、タレが「焼き鱧」と重なっているのが残念だった。ここは酢味噌で出して欲しかった。 「松茸の鱧巻き揚げ」は雲南省の松茸を使っているそうだ。柚子を絞って食べるのだが、ほんの少し塩が欲しかった。 「南高梅の蜜煮」は梅酒に漬けた梅を蜜で煮てあるように感じた。蜜は爽やかな甘みが美味しかった。 「鱧の刺身」は、山葵・塩・梅肉が添えられていて、好みで食べるように言われた。骨が全く感じられず、驚いた。山葵と塩で頂くのが美味しかった。「鱧づくし」ならではの一品でしょう。 「炊き合わせ」は、加茂茄子・万願寺唐辛子・生雲丹で、下ろし生姜が添えられ、餡が掛かっている。利尻産の生雲丹がどっさり乗せられてあり、とても美味しい!スプーンで残さずに頂く。 「ジュンサイ」は兵庫県三田産の新鮮なものだそうで、身がしゃっきっとしていて歯ごたえが良く、美味しい。他では味わったことがないくらい上質なものだということがわかる。 「鱧ご飯」は、白胡麻と薄切り蓮根が入っていて、お茶碗によそおってから大葉の千切りを乗せる。大葉の爽やかな香りが食欲を誘う。お代わりでオコゲも頂いた。味噌汁の具は茗荷の千切りのように思った。加茂茄子や生姜のたまり漬けなどの漬物も出される。 「水菓子」はさくらんぼとマンゴー。甘い味と美味しさで上等なものだと言うことがわかる品だ。 今回、とても気になったのは、女将さんのつけているフレグランスと、小室さんの弟子に対する言動・素材の自慢話があった。 客の私ですら、食事の邪魔になるフレグランスは遠慮しているのに、サービスする側の女将さんが、皿をテーブルに運ぶ時に香るようなフレグランスをつけるのはいかがなものかと…。 また、何を失敗したのかはわからないのだが、小室さんが弟子の頭を三度叩いて叱責しているのを目撃してしまった。教育方針もあるのだろうが、客から見える厨房ですべき行為ではないと思う。連れは、その後で足も蹴っている場面も目撃したそうだ。 もう一つは、素材自慢。どこのご主人も多少なりは自分が吟味した素材の自慢をすることがあるし、確かに小室さんの吟味している素材はとても素晴らしいと思う。しかしながら、「○○はキロ何万」とか「東京でこれを使っているお店は10軒くらいしかない」とか、多くの食材に対して自慢されていたのだが、あそこまで自慢話をする料理人は初めてだ。何度も金額を口にするのは上品でないと感じた。 前回、「客に旨いものを食べさせたい」と言う気持ちの強い料理人だと感じていただけに、今回はとても残念でした。5ヶ月で変わってしまったのだろうか。連れは半年間で4回目の訪問だったのだが、小室さんは覚えていなかったようで不思議だった。当然、2回目の私など覚えていなくて当然のようで、前回と同じ質問をされた。 帰り際、かなりの距離があるにも関わらず、角を曲がるまでずっと女将さんは玄関で見送ってくれていた。 KEI ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。 http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/ by gokujyounoazi | 2006-07-10 12:21 | 和食
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