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東京での和・洋・中と極上の味を求めて、いろいろ食べ歩いた記録です。


by gokujyounoazi

ロオジェ

 シェフが交代して、初めての訪問です。どんな風に変わったのか?と楽しみにして行きました。
 以前と変わらず、案内は螺旋階段を昇る事から始まり、ギャルソンやソムリエの面々も見覚えがあり、内装も同じで、少しほっとしました。すでに馴染んでいる場所に再びやってきたという安心みたいなものもあります。
 新しいシェフのスペシャリテがわからないまま、ベリーニを飲みながら、メニューとにらめっこ。シェフお勧めのコースにフォアグラがないので、しばらく考えていて、ギャルソンの勧めもあり、コースにフォアグラの一皿を追加してもらうことにしました。コースに一皿追加?!かなりの大食漢でなければしないと思うのだけれども…食いしん坊な私達はそれを選択しました。この選択は後で正解だったと納得するのですが…。
 ワインは赤白一杯ずつくらいしか飲めないのですが、この日はソムリエからの提案で、連れに合わせて、赤白各2種類のワインをそれぞれ一杯の半分の量で供してくれました。あまり飲めない私なのですが、色々なワインを味わえるというのは願ってもなく、ソムリエの機転の利いたサービスには感激しました。
 アミューズ・ブーシュは魚介類のムースを大根の薄切りで巻いたもの。ナッツが入っていてアクセントになっていました。美味しいので次からのお皿も期待できそうです。前菜は「甘酸っぱいキュウリのジュレ 生雲丹添え カカオ風味のヴィグネット」。なんでも、この「カカオ風味のヴィネガー」はシュフが開発したものだとギャルソンが説明してくれました。こくがあり、私の好きな酸味で気に入りました。しかし、キュウリのジュレとは?!結構奇抜な発想の元、料理されるシェフのような気がしました。でも、和食でも「緑酢」は胡瓜をすりおろして酢と合えるということをするのだから、料理の味の構成としてはおかしいものではないのかもしれませんね。私は酢の物好きなので美味しく頂きました。
 今まではアラカルトでないとスープはなかったので、ロオジェでスープは初めてです。三品目は「グリーンピースのスープ クリュスタッセのフラン ミントのクリーム」。グリーンピースのスープは泡立ててあり、カプチーノ仕立て。その下に海老のフラン。美味しいことは美味しいのだけれど…優しい味なのだけど…何か物足りない感じがしました。
 四品目はアラカルトからチョイスした「フォアグラ」。ポワレしたフォアグラの下は南瓜のムース?マッシュ?が敷いてあり、これはやはり期待通りに美味しい!いつも通り、料理に合わせて、白赤取り混ぜてグラスワインをお願いしていたのだけれど、さすがにロオジェのソムリエは貴腐ワインを勧めてくれました。フォアグラと貴腐ワインの合う事!美味しいものを食べて幸せとしみじみと感じました。五品目は「キャベツに包まれたラングスティーヌのロティと鴨のジェジェ」。鴨の砂肝は初めて食べました。私の口には合いませんでした。塩がきつすぎたのもいけません。
 六品目は「和牛フィレ肉のポワレ 旬の恩野菜とトリュフのジュ」。以前の肉料理より肉の量は多くなっているようです。なんだか、ここで初めて、ソースが出てきたような気がします。フレンチってソースが命と聞いていたようなのだけど、新しいフレンチは軽い感じで野菜が主役のように感じました。
 チーズはカマンベールを頼んだのだけど、ブリーが供されてしまいました。別にどちらでも良いので、そのまま頂きました。私はチーズよりも、デセールを楽しみたいタイプなので、チーズはなるべく少なく食べるようになってきています。
 デセールの前にプティフールとショコラが運ばれ、YOSHI爺が「テイクアウトできないの?」と言ってくれたおかげで、いつもはデセールを少し控えないとお腹がいっぱいで食べきれずに悔しい思いをしていたのだけれども、今回は、テイクアウトさせてもらい、デセールを堪能できました。もっと早くにテイクアウトさせてもらえば良かったと…。そういえば、以前、小さい紙袋をお土産に持ち帰る人がいたことを思い出しました。遠慮しないで言ってみるものですね。
 ワゴンのデセールは以前とあまり変化はありませんでした。大好きなミルクアイスもそのままの美味しさでしたし、桃を使ったケーキ類も大変美味しかったです。無花果のコンポートは、味付けが私の好みでないのが残念でしたが、他は満足できるものでした。
 「美味しかったですか?」と聞かれると…「フォアグラが美味しいかったです。」としか言えませんでした。コースの料理で美味しいと覚えているのは「キュウリのジュレ」の前菜とデセールだけ。追加で頼んだフォアグラがなければ…かなり寂しい思いをしていたと思います。
 実はこの日、二つ隣の席にアロハシャツにGパンという姿の男性客がいたのが不思議でした。シェフが変わって、料理だけでなく、そこまでカジュアルになったのか?と驚いていましたが、店が貸し出したジャケットも椅子の背に掛けてしまい、堂々とアロハシャツで食事をしていたようです。堅苦しいのもあまり良くないとは思うけれど、あまりの常識のないのも、店に迷惑を掛けるだけでなく、周りの客を不愉快にさせるものだと再認識しました。私も早く痩せて、スカートが楽にはけるようにしなくてはと強く思いました。
                                   KEI
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男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/
by gokujyounoazi | 2006-01-29 12:54 | フレンチ