KEIの東京食道楽
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東京での和・洋・中と極上の味を求めて、いろいろ食べ歩いた記録です。

by gokujyounoazi
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小室
 今日は、雑誌等で見ていて、一度是非訪問したいと思っていた「小室」だ。器が素晴らしいらしいのだが、そちらは、あまり興味ない方なので、とにかく美味しいと良いと期待する。
 店に到着するとカウンターにはまだ、先客はなかった。一番奥の席に案内された。壁には木蓮が飾ってある。板場がよく見えて、楽しそうな席だ。間を置かずに次々に客が入ってきて、カウンターも満席となった。
 まずは梅酒を頼んだ。今日は蟹のコースだ。最初に「湯葉の蟹餡かけ」が出された。中には、百合根・ほうれん草・鞠麩が入っている。立方体になっている湯葉はお豆腐のようだが、味は優しい湯葉の味だ。百合根はほっこりとした甘さで美味しい。昔ながらの味のするほうれん草もアクセントとなっている。美味しい。
 「八寸」は出来上がっていく様子を間近に見ることができて楽しかった。①煮鮑と生雲丹 鮑は「どうしたらこんなに柔らかく煮ることができるの?!」というくらい柔らかく、味付けも鮑の風味を損なうことがない程よい味となっていた。生雲丹はまったりとして甘く文句のつけようのない美味しさだ。②からすみを挟んだ才巻海老 からすみは自家製でないのが残念。粒がややつぶれてしまっていたのと色が鮮やかなオレンジ色でないのも残念だったが、才巻海老と一緒に食べるとその塩加減は丁度良いものだった。これも美味しい。思わず、YOSHI爺から日本酒をもらって飲んだ。 ③揚げクワイ こちらはビールに合う。ほっこりとした甘みが軽く振った塩により強調されて美味しい。④菜の花の辛子合えと数の子 もう菜の花が出ているのだと驚きつつ堪能。程よい味付けでほっとする。数の子も丁度良い塩梅だ。⑤蚕豆 これはビールに合う。美味しい。⑥昆布巻き 味付けがきつくなくて私の好みだった。⑦蕗の頭と雪ノ下の天麩羅 小さめのふきのとうは程々の苦味がある。上品な苦味という感じだ。雪ノ下は初めて食べた。薬草というイメージもあったが、印象は「葉っぱ」だ。美味しいというよりは季節を感じさせるものだ。⑧煮豆(黒豆)これは秀逸の一品だ!皮も身も柔らかく、上品な甘さに仕上がっている。黒豆は煮るのもなかなか難しく、根気のいる仕事だが、ここまで上品に仕上がっている煮豆を食べたことはなかった。豆の種類もあるのかもしれないのだが、黒豆というと皮が硬いものが多いように思う。お正月の御節で、この黒豆を食べてみたい気がした。 八寸はどれもこれも目で楽しませ、味で満足させてくれるものだった。熱燗で少しずつ肴として美味しく頂いた。
 「鼈の卵豆腐」柔らかな茶碗蒸しのような卵豆腐に鼈の色々な部位が入っている。スープがかかっていて、焼いた長葱が入っていて、細かい葱の小口切りが沢山散らしてあった。薄口のスープに葱が多過ぎる感じはあったが、体が温まり、美味しかった。
 「鯛の刺身」には、イワタケ・甘草・大根と人参の千切りが添えてあった。イワタケは初めて食べた。甘草も初めて食べて、その名の通り「甘い草」というのに納得できた。なんだか、雪ノ下をはじめ、漢方というか薬草というか、体にも良いものが出てきて、嬉しくなった。まだまだ、名前は知っていても、食べたことのない食物も多いのだと改めて気づいた。
 「飯蒸し」は鮟肝を乗せて、くちこと卵を上から掛けて蒸し焼きにしている。もち米のモチモチ感と鮟肝のまったりとした甘さとくちこの丁度良い塩梅が口の中に広がる。至福の時を感じられる逸品だ。美味しい!!!思わず、ランチでドンブリ一杯食べたいと言うと、YOSHI爺と小室さんに「どんぶり一杯だと多過ぎる」と言われてしまったが、たぶん、私なら喜んで食べるだろう。もちろん塩分はかなりあるとは思うが、それでも、美味しさの誘惑には勝てないだろう。ミクニのフォアグラ丼も好きだが、小室のこの飯蒸しはもっと美味しいと思う。ランチであれば、本気で食べに来るだろう。というか、絶対に行く!時間とお金と体力を使っても食べに行きたいと思う逸品でした。
 「穴子の湯葉巻き揚げ」は穴子・銀杏・百合根の裏漉しを湯葉で巻いて、揚げたものだ。鱈の白子と水菜、ローストした松の実と餡がかかっていて、柚子の皮の摩り下ろしが振られている。ローストした松の実が芳ばしく、アクセントとなっている。美味しい。鱈の白子は…下手な河豚の白子よりも美味しいかもしれないと思うくらいに、美味しかった!
 「備長炭七輪焼き蟹」は、目の前で食べ手の速度を見ながら、焼き上げてくれる。松葉蟹にはタグがついていて、それも貰った。蟹にもブランドがあり、偽者と区別するためにタグ等をつけるようになったらしい。ブランドとか関係なしに、とにかく美味しければ良いと思う。焼きあがると食べやすいように、包丁を入れてくれ、お皿に乗せて出してくれる。お皿が沢山重ねてあったので、カウンター全員の分かと思いきや、YOSHI爺と私のふたりだけの分だったのは、蟹の2本目が出された時だった。贅沢なお皿の使い方だと思ったが、蟹を一番美味しく食べるためには、一本一本供するのが良いためだろう。塩と柚子が用意されていて、自分の好みで食べられるのも良かった。
 途中で「備長炭七輪焼き筍」も供された。手で削ったと思われる鰹節の上に、京都の初採りの筍が乗っている。包み焼きしたような柔らかさと甘みが感じられて美味しい。
 「焼き蟹」の続きで、「蟹みそ」が供された。新鮮な蟹みそは美味しいので大好きだ。スプーンで蟹みそを取り出している様子を見ているのも楽しかった。その後に「蟹の甲羅酒」が供された。先ほどの蟹みそを食べた後(蟹みそが少し残っている)の器にその甲羅酒を注いで飲む。蟹の旨みと、みその甘みが酒と共に口中に広がる。美味しい!
 お腹もかなり膨れてきて、最後の御飯になった。白い御飯と香の物と味噌汁だ。御飯は今まで食べた事のない美味しさだった!この御飯なら、もっと食べたいと頭は要求するのだが、すでに数々の美味しいものが詰まっている胃がそれを拒否した。残念だ。味噌汁は鯛の骨と蟹から出汁を取ったもので、ヤマゴボウの千切りが具として入っていて、粉山椒が掛けられていた。とても美味しい!ヤマゴボウは柔らかく、聞くまでは葱かと思うくらい細く切られている。粉山椒のアクセントは小室さんのセンスの良さを表していると思った。
 「デザート」はマンゴー・苺・三宝柑のゼリーだ。三宝柑をくり抜いて器にしてあり、蓋の部分には、まだ実が残っていて、それを絞り掛けて食べるように言われる。香りが増し、味も鮮明になり美味しい。苺も普通のものの三倍くらいはある大きいものだが、甘みもあり、とても美味しい!
 最後まで、ずっと幸せな気分でいられたのは、どれもこれも「美味しいものを食べさせたい」という小室さんの思いがあるからこそだと思う。今まで、供されたすべての料理のレベルが高く美味しいということがほとんどなかった。本当に至福の時が最後まで続いたのは珍しい事だ。
 ただ…甘味好きの私としては、和食の最後は、やはり上生菓子とお抹茶で締め括りたい!こちらのデザートがそれであれば、間違いなく星5つだ!残念。聞くところによると、店が広くなれば、それも考えるとのことなので、早く実現して欲しいものだ。
                                   KEI

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男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/
by gokujyounoazi | 2006-01-29 13:24 | 和食