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東京での和・洋・中と極上の味を求めて、いろいろ食べ歩いた記録です。


by gokujyounoazi

招福樓 東京店

 染井吉野が満開のお花見日和に、丸ビル36階にある「招福樓 東京店」を訪問しました。カウンターと聞いたのですが、靴を脱いで、畳敷きの廊下を案内されたのには驚きました。

 確かに、カウンターになっていて、細長い掘り炬燵のような形になっていて、足を下ろすと、足元にはクッションが用意されていて、それがとても楽でした。生憎、全面ガラス窓からの眺望は、建設中のビルだったのが残念でした。夜景は綺麗なのではないかと思います。

 梅酒を飲みながら待っていると「ミル貝と花山葵の和え物」が供されました。味付けはお醤油と出汁のようですが、花山葵のぴりっとした辛さが効いていて、ミル貝の甘みを引き立てていました。美味しい一品が食欲をそそりました。

 「蓬の白玉と帆立しんじょ」のお椀が供された。浜防風の鮮度が良いようで、風味が良い。木の芽も爽やかで、蓬の白玉は滑らかで上品な舌触り。帆立のしんじょはさいの目の切り身が入っていて、美味しい。

 「お造り」は鯛、烏賊で、蕨と海苔が添えられ、醤油と割り醤油が用意されていた。久々に甘くねっとりとした柔らかさの烏賊の刺身を食べた気がした。鯛も美味しく、日本酒が進む。

 八寸は「もずく とり貝」「おおばく豆腐(カマンベールチーズを挟んで)」「鯛の子」「百合の穂(蕾)の胡麻和え」「細魚の小袖寿司」「とこぶし 梅肉乗せ」「蚕豆」。

 どれも美味しいのだが、特に「鯛の子」が、私の好みだった。また、「百合の穂の胡麻和え」には剥き胡麻を使用していて、上品な味になっていた。「細魚の小袖寿司」も細魚と寿司飯の塩梅がちょうど良く、また、木の芽が爽やかに仕上げていた。

 「鱒の花山椒焼き」は生酢で頂く。酸味が効いて、とても美味しい。生酢はまろやかな酸味で、きつさもなく、すっきりしていた。

 「若竹煮」は、筍・蕗・若布・木の芽で、春らしい一品。

 「ぼんぼり茶漬け」は、鯛の身のほぐしたものを、ぼんぼりのように丸く盛り付けてあり、紫蘇の葉の微塵切りが散らされ、さわやかな旨みが口に広がる。

 「漬物」のこぶと青菜は美味しい。が、大根だけがいまいち私の口には合わなかった。追加で頂いた「白飯」はとても柔らかく、茶事の炊き方をしている。盛り方は普通のお茶碗だった。

 「蕨餅」は青黄粉と黒蜜で頂く。青黄粉を使うのは珍しいが、美味しい。その後の「お薄」は薄い気がした。

 これで終わりかと思っていたら「マンゴージュース」が供された。甘い物を食べた後なので、すっぱく感じるかもしれないと、覚悟して飲んでみたのだが、甘くて美味しい。切った苺も入っているが、これもすっぱくはなかった。

 給仕の女の子は、数々の質問にも、快く笑顔で答えてくれて、気持ち良く食事ができた。トイレも広く清潔で使いやすい。足元のクッションのおかげで、最後まで楽だった。

 料理もコストパフォーマンスも良く、満足できる味でしたし、心地よいサービスが受けられる名店であり、良店だと思います。ここでしたら、友人にも紹介したいと思いました。

ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/
by gokujyounoazi | 2006-04-04 23:50 | 和食